木曜日, 10月 02, 2008

「プレコックス感」の事

むーん。残念。「プレコックス感」と言うのにかなり興味を持っていたのだ。

私がこの言葉を知ったのも、このエントリーのリンク先にある、サイコドクターぶらり旅(当時は、「暴れ旅」だった)の総合失調症に関する記述のところやねんけども、へぇ~そんなのがあるんだ、以上の強い興味を持ったのは、書いた人であるところの、風野先生には感じられなかった(らしい)けれども、分る人には分るらしい「プレコックス感」てどんなものなのかをとても知りたいと思ったからだったんだわ。

が、その時調べた限りでは、結局どんなものなのかは分らず、又、風野先生はどちらかと言うと好ましくない方向から、この「プレコックス感」について書かれていたし、これを診断の基準にみたいなのにするのは、マズいんじゃないかなー、と、私も感じたりしたし、それ以上に、私は(さし当っては)総合失調症を煩っている訳でもないので、機会があれば考えてみてもいいかな、みたいな感じで記憶の片隅に追いやっていたんだわ。

まぁ、この際だから書いてしまうと、多くの人が私と似たような経験をしているのかどうかも不明なんで、気にする事自体があまり意味がないのかもしれないけれど、私は、たま~に、「何とも言いようのない独特の雰囲気を持っている」と言われることがあって、それは、必ずしも褒めているってニュアンスじゃなくて、面と向かって「変な雰囲気」と言われた訳ではないけれど、少なくとも「よいもの」とは言えない、何とも言い難い独特なものを感じさせる事があるみたいなんだわ。

以下、具体例と言うか、私が「プレコックス感」についつい反応してしまうようになった、幾つかの体験について書いてみる。


小学中学年の頃、ハンドルでも時々使っている「naoke」と、呼ばれるようになった訳やけども、それまでは「なおちゃん」と呼ばれる事が多かった。

が、同じクラスにもう一人「なおちゃん」が居て、イントネーションが違っていたんやけども、「どっちのなおちゃん?」みたいな混乱が起きたのね。

その時、誰かが面白がって私を「なおけ」にしてから、すっかり定着した訳やねん。

でもさ、「け」って突拍子もなくね?ところが、何故か本名の名前よりも、むちゃくちゃ定着率がよくて未だに古い友人からはそう呼ばれてる訳やけども、ある時、あーこの子「なおけ」って呼んでるんやで~、みたいな感じで、新たに遊ぶようになった「りっちゃん」に私を「なおけ」と呼んでる友人が紹介したらば、「りっちゃん」が、つくづく感心したみたいに、まじまじと私を見てさ、こう言った訳よ。

り「うん。なんかすごいぴったり。そうとしか言いようのない雰囲気あるよー」

いやいや、「け」が、そうとしか言いようがない雰囲気ってどんなんやねん?とは思ったけども、何だかいわく言い難い雰囲気みたいのが、どうも(当時の)私にはあったらしいねんな。ええとかわるいとかは抜きにして。

で、中学に入った。

中学で新しく出来た友人に、「マコ」てのが居て、私の第一印象は、うわーごっつ可愛いー、こんな顔した子もおんねんなー、ガタイはでかいのに(太っているんじゃなくて、大柄だった)、むっちゃ可愛いやん。それに何かセンスがいい(ような気がする)。

んで、私は、そのマコと英語塾が一緒で、考えてみたらクラスが一緒になった事はなかったけども、ぼんやりとしたうちらのグループみたいのが一緒で、しゃべったり遊んだりはしてたんやけども、テストが終わった後ぐらいやったやろか、タマタマ「マコ」と二人になってしゃべっていた時に、ひょっこり言われたのよ。

ま「なおけって、馬鹿やなかったんやねー。最初見た時、「アホの子」なんやと思てたわ。

いやさ、確かに賢く振舞ってたとは思えんのやけども、この「アホの子」てのは、ぶっちゃけ「池沼」みたいなソッチ系のニュアンスのある言葉で、「勉強が出来ない子」てのとは、少しニュアンスが違う言葉やねん。

今になって(遅すぎるように思う)考えてみるに、どの辺にそれを感じたのか聞いてみた方が良かったのんやろか?とも思えるねんけども、当時の私は今以上に鈍かったんで、そーなんかー、私ってそーゆー風に見えてたんかー、で、終わりにしてしまってて――げげっ、ほんと、書いてみて初めて思ったけども、こんな風な部分が、もしかしたらソッチを感じさせたんかもしれん――、具体的にどんな部分でそれを感じさせたのか、今となっちゃ知りようがないねんけども、ほぼ第一印象として、そんなもんを感じさせる「何か」が、私にはあるのかもしれないなー、と、漠然と思ったのよ。

こんな経験って多いんですか?誰にでもある事なんですか?

で、その後、そんな事もすっかり忘れてたんやけども、思い出してしまうような事が起きたのよ。

神戸の北区の市住に住んでいた時の事。

あの手この手を使って、うちらは、む上を乳幼児保育に送り込む事に成功したのよ。

当時、公立の保育園に乳幼児を入園させるのは、神戸の北区じゃかなり困難で、貧乏だったから(過去形は正しくない)、何とか仕事を探して、現金収入が欲しかった私は、最初は無認可の保育園に子供を預けて、その後、やっと、公立の保育園に子供をねじ込む事に成功したのだった。

でね、この保育園が、何故か「精神病院」付属の保育園だったの。

前の無認可の保育園に比べると、環境もいいし、先生も沢山居るし、送り迎えは大変だったけども、保育料もずっと安くなったし、で、私はかなりご機嫌だったの。

そして秋。保育園で「運動会」が催されたの。

オムツが取れたばっかりのむ上が、いっちょ前に、保育園の体操服を着て、まだ若かったうちら夫婦も大はりきりで参加して、それはそれは楽しかったんやけどさ、む上の「お遊戯」を見ていた私に、話しかけた人が居たんだわ。

年配の、大人しい感じの女性だった。

女性「入院されてる方ですか?いい天気になって良かったですね」
く「えっ?あの、入院してる訳じゃなくて、子供が保育園に入ってまして」
女性「えっ?それは失礼しました、てっきり…」
く「いや別に失礼じゃないですけども、はい」

いやね、もちろん失礼じゃないけども、ちっちゃい子が沢山、と言うか、キホンが、保育園の運動会だった訳で、病院の運動会じゃなかった訳よ。で、私はきっちし、ジャージの上下着込んで子供の演技を応援してた訳。状況からはあんまり間違わないんじゃないのかなー、とは思ったの。

ま、そんな訳で、ダンナのとこ行って、入院してる人に間違われたわー、と、軽く言ったらさ、

だ「あー、あるかもしれんなぁ。ワシもオマエ初めて見た時は足りん子みたいやなぁ思たからなぁ。オマエ、唇の色がもっと赤かったら、そうとしか見えん」

えっ?そうなん?そうやったん?てか、その判断基準みたいのが(私には)全く見えん。

けども、特定の人に、何か独特の印象を与えるもんが私にはもしかしたらあるんかもしれん。何か分らんけども。みたいな思いを持ってたのよ。


で、「プレコックス感」てな言葉に出合って、むーん。総合統合失調症ねぇ。あんま心当たりないけども、自覚があったら、(ある意味)病気とは言えんのかもしれんから、心当たりの方は、とりあえず脇に置いといて、「プレコックス感」と呼ばれるらしい、一種独特の雰囲気だか違和感だかが「どんなもん」なのかは、是非とも知りたいもんだ、とずっと思ってるのよ。

さて、リンク貼ったエントリーでは、もしかしたら「プレコックス感」てのは臭いなんじゃないか?みたいな仮説(は、大袈裟ですね、すみません)を出してて、ふうむ、と考えてしまった。

3 件のコメント:

月夜 さんのコメント...

お久しぶりです。月夜です。
「プレコックス感」の事、読ませていただきました。
自分が躁鬱病と分かってから、やはりその関係の言葉(ここでは、「統合失調症」「精神病院」)がよく目に留まるようになったようです。
プレコックス感的なものは、私自身小さい頃からありました。運動神経が鈍い。喋るのがゆっくりしている(これはどう喋ればいいか考えてから喋るから)。空気を読むのが下手(つか周囲がなんで躊躇なくコミュニケーション取り合えるのか理解しがたい)など。
大人になってからも、私の学歴を知らない人に出身校話すことがあると「え~!月夜さん
頭いいんだ~!」と驚かれることが何度かありました。(たいした学校じゃないんだけど。すごく自分がアホに見られてる感じでイヤなので、自分からは学歴は極力喋りません)
次に統合失調症についてですが、私は現在も精神外来に通院していますが、待合室の患者さんがどんな病気かははっきりとは分かりません。喋り方や挙動などが健常とは違うな、と感じる人がたまにいる位です。
入院中も同室におられた方の一人が統合失調症でしたが(ずっとどんな病名か知らずにいたのですが、たまたま知りました)、こちらが話しかけると普通に会話してくださいました。
果たしてプレコックス感は統合失調症に限ったものなのか?という疑問があります。
統合失調症も躁鬱病も、何らかの体質があって、それを持っている人が何かのきっかけで発症する病気と私は把握しています。
余程患者を長年診てきた医師ならば、統合失調症の患者さんからプレコックス感を感じるのかも知れませんが、一般の人が小児の行動から感じとるものは、もっと範囲が広い捉え方のほうが誤解が少ないと思うのです。
そうでないと、「アホでヘンな子」が「統合失調症」という意味にも取れてしまうのではないでしょうか。

pS. このコメントがお目に止まれば幸いです。

Kurilyn さんのコメント...

あ、コメントありがとうございます。
プレコックス感をアホで変な子の意味で使っているつもりはないのですが、そのように受け止められたとしたら、私の書き方が良くなかったのかもしれません。

本文ではすでに月夜さんはプレコックス感というものがどういうものなのか分かっていらっしゃるかのような書きぶりにも思えたのですが、本文のテーマ(というほど大げさなものじゃないですが)は、『プレコックス感ってどんなものなの?』という事についてです。

ですので、私が持たれた印象がプレコックス感かどうかも分からないと言うか これがプレコックス感であるという前提でこれを書いたつもりはないです。これを「プレコックス感的なもの」と月夜さんが受け止められたとしたら、やはり私の書き方に問題があったという事でしょう。

場合によってはこの文章を読んだ人が「アホで変な子」を「プレコックス感がある子」と置換してしまう恐れがあるという事があるんだな、と このレスを読んで感じました。精進します。

又、リンク先の記事は、プレコックス感には、何らかの実態があるのではないのか?(そしてそれはもしかしたら匂いではないのだろうかと言う予測)
を書いていて、そこへのトラックバック先では、名医の勘のようなものへの言及もありました。

一般人の「アホで変な子の印象」と「プレコックス感」が近しいものなのか全然違うものなのかは、「プレコックス感」の分からない私には判断のしようがなく、逆にだからこそ「プレコックス感」てどんなのものなの?を知りたいと思っているのです。

一方でプレコックス感という言葉そのものが そう一般的なものでもないので、この記事の内容のために、悪い意味でプレコックス感という言葉が独り歩きしてしまうとしたら、とても不本意です。

私自身、知人や身内に精神病院への入院暦のあるものもいて、「変な人」と「精神病」は違うものだと思っています。

学歴の書き方 さんのコメント...

いつも楽しく観ております。
また遊びにきます。
ありがとうございます。