月曜日, 1月 28, 2019

映画など2

思った以上に長文になったので分けた。

ゴジラ・モスラ・キングギドラ 大怪獣総攻撃

シン・ゴジラが、とてもがっかりだったので、私が求めるタイプの怪獣映画がないかなと思って、見てみたのがこれ。

とても満足した。

私は怪獣映画に、無駄にリアルな設定や、社会派人間ドラマ等は求めていない。子供の頃から見ていた怪獣映画の延長線上にある、大人も子供も楽しめるシンプルなストーリーと、怪獣のいる街の模型が見たいのだ。

そしてそれが十分に楽しめた。壊されていく模型の造形に見とれ、がんばれがんばれと思いながら、守り神の怪獣を応援し、モスラかっこいい!やっぱモスラは正義の味方が似合うなあ。今回はキングギドラもええもんなんかー。

怪獣映画はこうあってほしいがみっちり詰まっていて、これは映画館で見てもよかったなーと思えた。自衛隊の戦車にM24が出ていたのも個人的にポイント高い。

後で調べて、平成ガメラの監督さんの作品だったと知って、とても納得した。好みにストライクなはずだ。

フロム・ヘル

なんか見たような気がするけど全然覚えてないなーと、覚えてないってことはつまらなかったのかなあ。が、映画紹介に書かれてる切り裂きジャック関連て、結構気になるなあ。主演はジョニー・デップてのも気になるなあ。

絶対に借りてまでは見ないからこそ、確認の為に見てみようと、視聴してみることにした。

冒頭から見覚えのあるシーン。これ絶対見てるな。でもストーリー覚えてない。が、見覚えのあるシーンが度々出てくる。

見覚えのあるなしに関わらず、美術がとてもいい。あの時代のイギリスを知っている訳じゃないけど、すごく雰囲気が出ている。

馬車や薄暗さやこ汚さが、とても魅力的だ。

ただ、雰囲気を楽しむ作品で、ミステリーとしての魅力はもうひとつかな。それは、この作品が原作を持っていて、且つ一つの仮説に過ぎない事と、事件そのものが、今だにわかってない事の方が多いのだからしょうがないといえばしょうがない。

無茶苦茶説得力がある方がおかしい。

昔よくあった、ケネディ暗殺ものの映画がそうだったように、実際にあった未解決事件をテーマした作品にはついて回る問題なのかもしれない。

大巨獣ガッパ

子供の頃、100円ぐらいのちゃっちいプラモデルというものがあって、お年玉をもらった時に買いに行った。

が、ガメラやゴジラのようなメジャーな怪獣は100円では買えず、100円でも買える怪獣のプラモデルはこのガッパだけだった。

ガッパがどのぐらいメジャーじゃなかったかと言うと、1度もTVで見たことがなく、私が生まれる前の作品なのかと漠然と思っていたぐらい、映像で目に触れることはなかった。

しかし、子供雑誌の付録についてくる怪獣大図鑑的な冊子には載っていて、ガメラが80mで、他の怪獣もだいたいこのスケール感だったのに、このガッパだけは、150mと、明らかに他の怪獣とスケールが違っていた。

あーそれで、大巨獣と言うのかと子供なりの納得のしかたをしたけど、大"巨獣"て、何かおかしいと気がついたのは、ずいぶん後になってからだ。

まーでも、大巨獣とまで言うのだから、そのサイズこそが見どころなのだろうと期待して映画を見た。

結論からいうと、全然大巨獣である必要のないストーリーの上に、大きさを感じさせる演出もなく、まさかの親子愛の映画だった。

絵にかいたような子供だましで、それが逆に清々しい映画だった。

と言うのは、たぶんこの頃沢山怪獣映画が作られたぽくて、ガメラシリーズ、ゴジラシリーズとちょいちょい見てるんだけど、変な風に大人の事情が絡んでいる作品もままあって、荒唐無稽なストーリーと下世話な大人の事情の組み合わせが、当時の事は分からないけど、今見るとかなり違和感があったのだ。

普通に面白くなかったけど、昔の怪獣映画のテンプレ、現地人の踊りや祈りといった、未開人の守り神的な演出は、当時ならではで、とても昭和な映画だった。

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その後、wikipediaで大巨獣ガッパについて調べてみたら、身長60m程とのこと。あの記憶は思い違いだったぽい。すごいびっくりした覚えがあるんだけどなあ。

土曜日, 1月 26, 2019

映画など

Huluの契約をしていて、当初はあんまり利用してなかったけど、寒くなってからちょいちょい映画を見るようになったので、見た映画について記録していこうかと思い立った。

最後まで見たもの

メメント

変なタイトルと独特のポスターのグラの雰囲気から、カルトぽい作品なのかなと思ってなんとなく見始めた。

10分しか記憶が維持できない男が、妻を殺した相手に復讐をしようという話で、記憶を維持するために、メモとポラロイドカメラと刺青を利用して、犯人を追い詰めようとするミステリー。

カルト的と言われるようなタイプの意味不明な作品ではなく、とても緻密なギミックに満ちたミステリーだった。

ただ、分かりやすくはない。仕組みを理解するのにちょっと時間がかかった。メモや記録を元に、時間が遡っていく形で出来事が紹介される。

え、どういう事?あーそういうことだったのか、と、ストーリーが結果から原因へと遡って行くのだ。

ただ、この分かりにくさは、逆に、映画に引き込まれて集中力を高める効果があったように思う。前に戻っていく事によって、原因がわかるようになっているため、疑問が置き去りにされることがないのだ。

序盤は、不幸な男の復讐劇の方法と意思の固さに驚かされた、が、克明な記録に思えたものにほころびが見え始めたあたりから、だんだんと雲行きが怪しくなってくる。

度々途中で挟まれる、主人公が保険調査員だった頃調査した、短期記憶を失った男の話は、主人公の後悔や心の拠り所なのだろうかと思っていたら、思わぬ形で終末に関わって来たのには驚いた。叙述トリック的というのだろうか。

そして、衝撃のラスト。最初のシーンの意味がここで初めて明らかになる。

都合の悪い真実を本当に忘れることができるとき、その時感じた悪意を忘れる前提で達成するということ。

とても面白い映画だった。

嫌われ松子の一生

面白い映画ではあった。が、あまり好きになれない。救いがないというよりも、物理的にも、心理的にも、とても痛そうなのが見ててつらい。

ギャグっぽい演出に使われたシーンは、昔のサイケとかそういった雰囲気なのだろうか。松子の子供時代から殺される50代後半ぐらいまでと描かれている時代が長いので、その当時の流行みたいなのを意識した演出だったのかもしれない。妙に懐かしい雰囲気が出ていた。

この映画を見て、中谷美紀という女優さんの名前を覚えた。素晴らしい演技だったと思う。

イレイザーヘッド

パッケージの写真を色んな所で見た覚えのある映画だったので、こういうのこそ決してDVDを借りて見ることはないはずだから、Huluで見るのにピッタリなのかもしれないと思った。

この映画に関しては、予習をした(wikipediaで調べてみた)ので、監督が、ツインピークスのデヴィット・リンチのデビュー作だという事、奇妙な子供を育てる事になる男の話であるということ、カルト映画の代表と言われているという事を知った上で見始めた。

あれを難解だと感じるのは、子供を育てた事がない人じゃないかなと、少し思った。

奇妙な子供は、手も足も使えずただ泣くだけの赤ん坊のメタファーそのものだった。目の動きや笑い声に、見る側が勝手に意味を見出すあたりも、とても赤ん坊的だと思った。そして、あのにゅるにゅるは、たぶん精子。

身も蓋もない言い方をするなら、大人になりきれていない男の現実逃避的な心象風景で、だからこそ不安定さやグロテクスさに満ちているのだろう。

カルト映画なのだから、しっかり理解する必要もないだろうし、私が分かりやすいところに落とし込んだだけで、実は難解な作品なのかもしれないけどね。

この監督の作品は、ツイン・ピークスしか見てないけど、意味深で不気味な演出や、不安を煽る独特のセンス等、意味不明でも見ているものを引き付ける力がすごいな思う。映画ならではの表現に満ちていると思った。

それにたぶん、大筋よりも、ディティールを楽しんで、深読みするのがこういった映画の正しい楽しみ方なんじゃないかとも思える。

冒頭のガッチャンの人は、あれは赤ん坊を世界に落とし込む神のメタファーだろうか。それとも実は、宇宙人が精子に何かしてあんなグロテスクな赤ん坊を地球に落とし込んだのだろうか。現実と心象風景が交錯する映画なので、どのようにでも取れるあたりも魅力なんだろうな。

それからタイトルになったイレイザーヘッド。なんで消しゴムなのか。土を部屋に持ち込んだ観葉植物や、廃工場、ほっぺちゃん、なめくじ。

印象的なディテールがどのシーンにも散りばめられていて、見といて損はない映画だとおもった。