金曜日, 8月 29, 2008

若者の消費

てなタイトルを読んで、うわー、私もしかして若者♪と、一瞬喜んで、それから、エントリー読んで、微妙に違ってるトコもあるよなー、ここら辺がおばさんと若者の違いになるのかもなー?とか思いながら、何だか自分語りがしたくなったので、書いてみる。

もしかして若者と一緒?と思ったのは、タイトルの『インターネット依存と低い上昇志向』てのが、明らかに私の傾向と被ったからやねんけども、ネットに触れる前から低い上昇志向の持ち主だった私の場合と、この頃の若者(笑)の傾向が一緒になってしまうのは、只今的な社会的な「問題」なのか、私が元々持っていたベクトルみたいのが、実はそんなに珍しいものでもなかったのが、時代に応じてだんだん顕在化したからそうなったのかは、さしあたってはよく分らない。

が、ハッキリ感じている事がひつあって、それは、貧乏人にとってPC(殊にネットに繋がったPC)てのは、かなりの恩恵だよな、て事。。

なんつーか、今の日本じゃ、少ない投資でもってより多くの快楽を得ようとするならば、PCを上回るものって、あんまり思いつかなかったりするんだわ。PCてば、快楽のコストパフォーマンスがむっちゃ高い!

随分昔に、内田樹先生のブログでもそんな事書いて、うんうんあるある、と思いながら読んでたんやけども、先生の方は、否定的な方向からその傾向を示していたように思えたけども、私の方は、同じ傾向をどっちかで言うと「好ましい」ものとして受け止めていたのよ。

定額サービスを利用したら、動画共有サイトで、見たいTV番組が見たいように見れて、既存の雑誌よりも、もっと生々しいゴシップが(色んなサイトを読む事で)楽しめて、オーディオの代りも果たせてしまう上に、うまくしたらタダ楽曲だって手に入る。フリーゲームが沢山ある上に、うまくしたら、市販されてるゲームだってタダで遊べてしまう。うまくしたら、金出さなくても、エロ動画が手に入るし、うまくしたら、資本金なくても働かなくてもお金が手に入る。

買ったら高価なソフトと遜色の無い機能を持ったフリーソフトだって使えるし、うまくしたら、タダで、高価なソフトを使ってしまう事も可能。

PCはどんどん安くなるし、常時接続の費用なんて、ケータイ代に比べたら安いもん。

勉強しようと思ったら、勉強も出来るし――本を買ったり、百科事典を買ったり、辞書を買ったり、地図を買ったり、参考書を買ったりしなくても、ネットだけで出来てしまう事が沢山あるし、とうとう、(受験料払って、そこまで行って受験して、その上で合格して(追記)、入学金支払って、授業料支払って、学校まで行かないと(追記終り)聞けなかった)有名大学の講義まで動画で見れるようになった――。

メッセを使ったコミュニケーションはケータイよりも安く済むし、2chのように、リアルよりもずっと敷居が低い上に環境の違う相手や、似たような嗜好の相手とコミュニケーションが出来る場所もある。

オンラインゲームを利用したら、場所と相手の縛りなしに、対戦相手が探せるし、オークションうまいこと利用したなら、自分の周辺の評価だけだと、ただのゴミみたいなもんにだって、買手がついたりもするじゃないのさ。

#うちのこは、金に困って、『月姫』売りました
同人ゲーだけど、買値よりも高く売れたみたいよ

なんしか、環境による文化資産の差が、ネットを使う事で、かなり安価に埋められるじゃないのさ。既得権益を持たないものにとっちゃ、これ以上「お買い得」な商品てば、そうそう見当たらないんじゃないの。てのが、只今の実感。

低い上昇志向の者がネットに依存するなんて、必然と言ってもいいぐらい。

たださ、私とここで描かれてる若者の最大の「違い」であって、かつ、このエントリーの趣旨であるところの、「そんな若者」にモノを買ってもらう手段に関しては、ちょっと待った、があるんだわ。

このエントリーじゃ、若者がモノを買わなくなった要因を並べて書いてて、ふむふむなるほど、結構私と被るトコあるじゃん、と思いつつ、ここは明らかに違うよなー、てな部分があったのね、それが、インターネット利用時間に関する項目。

  • <M1層>→インターネット利用時間が長いM1は、情報が多すぎて調べるのが面倒になり、購入を中止した経験が多い。したがって消費力は低い。
  • <独身F1層>→インターネット利用時間が長い独身F1は、ネットで調べている間に、何を買ってよいかわからなくなった経験が多い。したがって消費力は総じて低い傾向。

いやさ、私は、「欲しいもの」があって初めて調べる事が多いねんけども、それゆえ、「それが欲しい」の部分は、かなり確定してて、むしろ、「如何に安く楽に買えるか?」の部分の方が、ずっと重要なんで、「情報が多すぎて面倒になったから辞めたり」、「何を買ってよいかわからなくなった」みたいな経験はないんだわ。

本文の方では、若者に積極的に消費してもらう為には、こういった事態への対処が効果的である、みたいな結び方してる訳やけども、元々消費欲求が少ない人に向けて、『購買へのためらいを払拭するための“背中の一押し”や“先送りはできないと”思わせることが効果的で、さらに機能訴求よりも“素晴らしい自分”イメージを想起させること』てなアプローチって、あんまり有効とは思えないんだわ。

てのはさ、これらの若者が結構私とよく似た感性でもって消費行動を決めていたなら、『情報が多すぎて面倒になった』時点で、さして必要じゃなかった、てな判断をしてるんじゃないかと思うのよ。同じように『何を買ってよいかわからなくなった』と思った時点で、不要であると判断してるようにも思えるのね。

なんつーか、「消費そのものには快楽をあまり感じない」タイプに向けて、消費を促すようなイメージ戦略を取っても、そんなに効果は期待できないんじゃないのかなぁ、と。

いやさ、これは、彼らが、私と似たような感性の持ち主かもしれない、てな前提からの「憶測」なんで、一概には言えないけども、「無駄な買い物」させたいのなら、余剰こそが最大の解決法じゃないの。とは、思う。

小手先の技じゃ、貧乏人のサイフの紐は緩まないんじゃないかと思うよ。

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