うーん。と、スーパーの現場で働いてる私は考えていた。
とても盛り上がっているのだけれど、私が気になっていたのは、「レジの技術」や「接客態度」に注目が集まるという現象の方。
理由の方は至極簡単で、お客様のところからよく見える部分だから。
「接客態度」てのは、とてもクレームになり易い部分で、前のコンビニのレジのおばちゃんの話が盛り上がったのも、誰もが自分の体験と重ねやすい事例てのは、盛り上がり易い部分だし、多くの人が経験しているような事ってのは、クレームになり易い部分でもあります。
給与に関しては、適切だと思える概略を書いたエントリーがトラックバック先に沢山あるんで、私は、実体験から少々。
小売業界のパートでも、「職能給」のようなものは多少は取り入れられている場合もあります、が、せいぜい時給がん十円上がるって程度だし、私個人はそれがそんなに重要な事だとも考えていない。
確かに個人差はあるけれど、個別の生産性を多くの人が納得できる形で計るのは実際には困難だし――多くのパラメータを設定した上で、同一条件で測る必要があるんじゃないかと思う。成果主義が結果的に上手く行っていないように見えるのも、そもそもが測るのが困難なもの無理やり測ってしまったから、って部分があるんじゃないかと(勝手に)思っている――、十円二十円の為に、個別の細かい査定をする方が余程コストがかかるだろうと思う。
後、元々が、コスト削減の為にパートを使っている訳で、「パートである」と言う時点で既に低コストなのだから、私個人の感覚だと、まじめにふつーに働いていればそれでいいんじゃないかと思っている。
- #リンク先で、自信と誇りを持って、みたいな事が書かれていたけど、私は、もしも上司からそんな事言われたら、むしろ引く
- #なんつーか、仕事は仕事。自信や誇りのあるなしで結果に違いが出る方が、好ましくないんじゃないかと思っているし、一方で、おだてられたからと言って、木に登ったり裸になったりは出来ないよな、みたいな
まさ、それはおいといて。今回書こうと思ったのは、シャドーワークとかそんな事。
大型スーパーでも食品スーパーでも、なんでもこなすコンビニとは違って、スーパーてのは大抵は部門別に分かれてて、私がやってる「食品品出し」だと、店舗内での作業もそれなりにあったりするけども、殆ど店舗に出る事の無い仕事ってのも、結構多い。
私は、食品関連の方の経験しかないんで、家具や衣料品や雑貨の事はもひとつ分らんけども、食品部門では、大部分がバックヤードのお仕事になってて、荷受、発注、在庫管理、生鮮食品だと肉や野菜を切ったりパックに詰めたりと言った下準備、商品の衛生管理や、調理場の衛生管理、価格変更、ポップ付けに、売り場作り、と、それらに伴う(整理整頓といったタイプの)諸作業。まぁ、だいたいこんな感じ。
お客様に直接接する事は少ないけれど、そんなんが全部ちゃんとそれなりに廻ってスーパーは動いている訳。てか、スーパーに限らず、多くの業種でそうなっている(はず)。
でね、時々思うのよ。正直な所を言うと、接客に求められているものが「過剰」なんじゃないのかな、と。
お待たせしない、とか、丁寧で行き届いた対応みたいな「心遣い」は、当然そうであった方がいいけれど、実際に「必要不可欠の部分」とは結構遠いじゃない。「安全性」は言うに及ばず、「買いたいものが安く楽に買える」事の方がずっと大切。にもかかわらず、「対応」へのクレームは鬼門になってる、みたいな。
私個人は、「接客」される事自体が「負担」になる方なんだけど(無人レジ大好き)、なんしか、過剰な接客を「するな」って声は上がり難いし、今日びは企業の側も「安全マージン」を大きく取ってるから、一概にお客様(≒消費者)の要求が上がり過ぎている、とも言えない部分ではあるけれど、やっぱ「目立つ」部分だもん、盛り上がりやすいよな、と。
ただねー、個人的な希望を言うならば、「お客様第一」てのは、「お客様の機嫌を損ねない事」じゃなく「お客様の安全を守る事」とか、お客様の快適にお買い物をして頂く事とは、お客様に「いい気持ちになって頂く事」じゃなくて「不便を取り除く事」みたいな、そういう方向にシフトした方がいいんじゃないのかなぁ、みたいな気分があるのよね。特に、スーパーみたいな日常の必需品を売る店なんかだと。
- #ある意味、お客様に向けて、と言うよりは、経営者に向けて、だよな、これって
- #もしかしたら、食品スーパーは「営利組織」でない方がいい、と言ってるのかもしれない
- #生協とかソッチの方が私に向いてたかもしれないな
- #後、消費者の「意識」を変えたいてなものすごい「野望」でもあるよな
顧客「満足」って難しいね。